2023.03.16 06:19private lesson ~ジェイシェリささやかなデートのお話1.「よおジェイク、元気か?」「…おかげさんで」 枕に顔を埋めたまま、ジェイク・ミューラーはぼそりと呟いた。 通話の相手はレオン・S・ケネディだ。期待していたモーニングコールでなかったことに、ジェイクは落胆の色を隠さない。「よし、今日も絶好調だな。あと30分でピックアップの時間だ。ロビーで会おう」 あからさまな態度を意に介する様子もなくレオンが言う。ジェイク...
2023.03.14 07:12「reunion エピローグ」~ジェイシェリ再会のお話三部作・結び それから10分も経たないうちに、複数のエージェントがやって来て、ジョセフの身柄を確保して行った。この家に来る途中、ジェイクはレオンに連絡を入れていた。その時点で既に手配されていたのだろう。 ジョセフは、シェリーという"機密事項"に長く関わった関係上、通常の犯罪者とはまた違う扱いを受けるようだったが、それでも一つ言えるのは、彼は"G"の研究やシェリーに近づく...
2023.03.14 05:07「reunion 後編」~ジェイシェリ再会のお話三部作・後編1. 凄まじい疲労感がジェイクを襲っていた。 追い討ちをかける様に、空港はとても賑やかだ。 漸く見つけた空いているベンチに、体を投げ出すように腰を下ろした後、手に持ったザックに額を預けると、深く長い溜め息が漏れ出た。 休める時に少しでも休んでおくべきだったが、それはとてもではないが叶わなかった。 ここに着くまで、シェリーの顔が幾度となく脳裏を過って、眠ること...
2023.03.14 04:46「reunion 前編」~ジェイシェリ再会のお話三部作・前編1・「ジェイク!よかった、やっと通じた!」 シェリーは窓辺の一人掛けソファーの上で膝を抱えながら、思わずと言った勢いで大きく息を吐き、天を仰いだ。 耳に押し当てたPDAーーその小さな機器が繋ぐ向こう側は中東の某国でーーそこに今ジェイクがいる。「悪ぃ、ちょっと周りに人がーー多くてな。なかなか抜け出せなかった」 聞き慣れた低い声の向こうで、微かに風の音が聞こえる...
2023.03.14 04:32「Survivors」 ~ジェイク編最終章、ウスタナク撃破後から脱出までのお話「お前は俺を……救ってくれた。……ありがとうな」 ジェイクにとって、今はそれが精一杯の言葉だった。張り詰めたようなシェリーの表情がふわりと綻び、荒い呼吸に喘いでいた口元が、やわらかな弧を描く。その様子がスローモーションのようにジェイクを釘づけにしている中、おもむろに伸びたシェリーの白い手が、格子状の床を掴むジェイクの手に重ねられた。グローブ越しでもはっきり伝...